夜中にふと目を覚ますと「コツコツコツ」と人の歩く音がする。
「おや、誰か来たのかな?」と耳をすます。
シーンと静まり返っている。変だな。誰か来たのかと思ったのに・・・。
泥棒か、変質者か、殺されるかも知れない、どうしよう。
そんな時またしても「コツコツコツ」と音が聞こえてくる。
確かに誰か外に来ている。いてもたってもいられなくなったM氏、
生事の確かめずにはいられない虫が目を覚まし、棒を握りしめると
音のした方へ向かったのである。
思い切って「スーッ」っと障子を開けてみる。だが、そこには何も無く
暗闇だけが「シーン」とあるだけだあった。
人間怖いものは何かと言えば人間ほど怖いものはない。
その姿がなければいよいよ怖さはつのるもの。
汗してまんじりどもせずに過ごした夜は明け、眠い目をこすりこすり
雨戸を開けるとキツツキが「コツコツコツ」と朽木に穴をほっていたのであった。
「コツコツコツ」の音が人間の足音と感違いした所にM氏の恐怖は始<
まった。人が来たのかどうかわからないのに取り越し苦労、限りなく
大事な睡眠時間、眠るべき今ここの時間をとり逃がしてしまったと苦笑
したそうだ。人間いったん思い込んでしまうとなかなかその思い込み
からぬけ出られなくなるもの。否定すればする程その2乗に反比例して思いは深まるそうだ。 ご用心 ご用心。
- 2007/06/30(土) 21:29:59|
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